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向き合うべきは何

朝晩は肌寒いものの、日中の日差しは温かく感じられる今週の天気。

週末あたりは雨模様となりそうですが、

一気に春に向かうようですね。

今月末ごろには、桜開花の便りも届くと思われます。

冬の寒さも、夏の暑さも、それなりの楽しみはあるものの、

自然の恵みを感じられるのは、やっぱり春秋の季節かも。

今年も独り楽しむ花見となりそうですが、

街路樹の桜の開花が待たれます。

 

ところで、今日の新聞記事の片隅に、次のようなお知らせが載っていました。

「大阪市葬祭場 来月から休館」

葬祭に少しですがかかわる身にとって、かなりの驚きでうけとめました。

やっぱりとは思うものの、葬祭業の難しさが表出したともいえます。

大阪市葬祭場「やすらぎ天空館」は、大きな斎場で2002年開館され、

著名な方々を含め、たくさんの皆さんを見送ってきました。

しかし葬儀の形態の変化により、大きな会館の維持は難しくなってきており、

家族葬など小規模な葬儀形態が主流となってきたことに加え、

このコロナ禍が追い打ちをかけ、半分以下の使用となったようです。

この斎場は、葬祭業者が指定管理を受け運営していたようですが、

来年度は手を挙げる業者がおらず、

この4月から閉館せざるを得なくなってしまったとのこと。

大阪市が拠出金を出す条件をだしても、誰も手を挙げなかったそうで、

大阪市の代表的な斎場を運営するメリットがもうないということでしょう。

それだけ、葬儀形態の変容が加速し、業者自身の体力も落ちているのかも・・・

果たしてこのまま価格競争にどっぷりはまってしまっていいのだろうか。

このままでは、体力のある大手業者しか残れないのか。

小さな業者は「小さなお葬式」のシステムに飲み込まれていっており、

この業界も大きな変化が訪れつつあるようです。

 

しかし、本当にそれでいいのか、今しっかりと考えていくチャンスではないでしょうか。

何が無駄で、何を大事にすべきか、

人としての尊厳ある見送りは決してセレモニーで表すものではなく、

葬儀はなんのためにあるのか、弔う気持ちとはどういう形がふさわしいのか、

業者も向き合っていただきたい、ニーズはどこにあるのかを。